フォーカス・オン・フォームとは、
言語形式をコミュニケーションと引き離して指導するのではなく、できるだけ意味のあるコンテクストの中で
指導することで、言語形式、意味内容、言語機能の三要素を結び付けて習得することを狙いとする教え方です。
これまでの日本で行ってきた英語学習方法について、満足していますか？今後も期待できますか？
外国においても、英語学習は行われております。その中で、コンピュータ支援学習環境での語彙習得におけるフォーカスオンフォームの影響を調査しました。中国の高校の中級レベルの英語学習者を対象に、詳細リハーサルと維持リハーサルの2つの習得方法を比較しました。結果として、詳細リハーサルをしたグループの参加者は、維持リハーサルをしたグループよりも単語の回想と認識テストで良い成績を収めました。詳細リハーサルは、文の書き換えや文脈情報を使って単語の入出力を練習することで、意味や形の処理を促進する効果があることが示されました。
私自身も、大人になってからの英語学習は、こちらの意味のあるコンテクストの中で、英語を進めてきました。当ブログ記事はその集大成ともいえます。単語の意味をひとつ理解するにも、単に単語帳を丸暗記しようとするのではなく、興味や関心のある分野の英文から単語を覚えると、その文脈上から単語が意味記憶されていきます。実をいうと、大人になってからの英語学習において、英単語帳を使ったことはほぼありません。逆に、ThesourausやOxfordDictionaryといった英英辞典のみを使っていただけです。
【コンピュータ支援学習と語彙習得】
今回引用している研究は、英単語を学ぶためにコンピュータを使った方法について調べました。具体的には、詳細リハーサルと維持リハーサルという二つの方法を比べました。結果として、詳細リハーサルをした人たちは、英単語を覚えるのに維持リハーサルをした人たちよりもうまくできました。また、詳細リハーサルは意味や形の処理を促進することもわかりました。
この研究から分かったことは、単語を学ぶときには、文の書き換えや文脈情報を使うことが大切だということ。コンピュータを使った学習環境でこれらの方法を活用することで、英単語、語彙の習得を効果的に進めることができると言えます。コンピューターといっても、普段使っている端末のことです。
ただし、この研究はまだ初歩的な段階であり、より多くの参加者や実際の学校環境での実験が必要です。また、単語を覚えるだけでなく、読み書きや会話のスキルにも効果があるのかを調べる必要もあります。
このような研究結果をもとに、教育プログラムや学習環境を改善することができれば、英語の語彙学習を効果的かつ楽しく進めることができるのではないでしょうか!?
方法:
中国の高校で中級レベルの英語学習者を対象に、教室実験を行いました。参加者は詳細リハーサルグループと維持リハーサルグループにランダムに分けられ、それぞれ異なる習得方法を実施しました。詳細リハーサルグループでは、文の書き換えや文脈情報を使った入出力練習を行いました。一方、維持リハーサルグループでは、単語の暗唱に焦点を当てた練習を行いました。
結果と考察:
詳細リハーサルグループの参加者は、維持リハーサルグループの参加者よりも単語の回想と認識テストで優れた成績を収めました。つまり、詳細リハーサルをしたグループは、維持リハーサルをしたグループよりも語彙の処理や理解において優れた結果を示しました。
結論と展望:
この研究は、コンピュータ支援学習環境におけるフォーカスオンフォームの語彙習得への影響を調査。詳細リハーサルの参加者が維持リハーサルの参加者よりも良い成績を収めたことから、文の書き換えや文脈情報を活用した練習が語彙習得の効果を高めることが分かりました。今後の研究では、より多くの参加者を対象に調査を行い、さらに幅広い結果を得ることが望まれます。また、実際の読解や会話などの言語使用能力への影響も考慮して評価することが重要です。さらに、教師や学習者へのインタビューやアンケート調査を行うことで、実際の教室環境での効果を確認し、学習者の意識や満足度、学習環境の改善についても理解を深めることができます。
フォーカスオンフォームの効果を最大限に活用するためには、コンピュータ支援学習環境の設計や教育プログラムの改善が必要です。これにより、英語学習者の英単語・語彙習得を効果的かつ効率的にサポートすることが可能となるでしょう。
引用論文：[Effect of Focus on Form on Vocabulary Acquisition in Computer-Assisted Learning]