こんにちは!柳生です。これまで偶然に出会ったことをチャンスに生かすことに満足していますか?
英語に限らず、母国語(日本語)以外の言語が分かるようになると、ぐっと見えてくる世界が変わってきます。
日本語が分かれば、もちろん日本語で通じ合う世界が広がるわけですが、英語はさらにひろがります。
セレンディピティ(偶然の出会い)というのは、ビジネスなどの現場では、イノベーションを起こすきっかけにもなることとして注目を集めております。
今回は、セレンディピティについて、書かれた古典的洋書「The Travels and Adventures of Serendipity」を紹介します。
イントロダクション:
クルーズラインや書店からオーストラリアの牧場、アトランタのヌーディストキャンプまで、偶然ではなく幸運と知恵の絶妙な組み合わせによって何かが発見されるという「セレンディピティ」という言葉は、現在では至る所で使われています。
この本は、この言葉の波乱に満ちた歴史を辿り、1754年の創造から20世紀までを綴っています。その過程で、私たちが今日自然科学や社会科学と呼ぶものの多くを追いかけていきます。この言葉がどこに行き、誰と共に存在し、どのように受け入れられたかを探求しています。海を渡り、学術の専門分野を超えて移動し、有名な人々から今では忘れられてしまった人々まで出会います。言語の賢人に出会ったり、ハーバード医学大学の輝かしいホールを歩いたり、ペニシリンの(セレンディピティ的な)発見に立ち会ったり、アメリカ海軍のために「セレンディピティを管理する」人に出会ったりします。
われわれが実際に体験するセレンディピティの物語は魅力的ですが、『セレンディピティの旅と冒険』の物語も同様です。1950年代には既に名だたる社会学者であったロバート・マートンとエリノア・バーバーによって書かれたこの本は、時折、最も魅力的に引用されていますが、意図的には一度も出版されませんでした。これは興味深いことです。なぜなら、この本は後の研究や資金に関する争いに先立ち、科学におけるセレンディピティの役割を中心にした多くの議論を予見していたからです。最終的には91歳の誕生日を迎えた直後、バーバーの死後、自身の死の直前に、マートンはこの重要な作品を拡大して出版することに同意しました。
美しい文章で書かれたこの本は、マートンの影響力のある著書『巨人の肩に乗って』と同様に、卓越した知的好奇心と寛大さに満ちています。単なる単語の歴史としてだけでなく、知的発見の奇跡を重視する人々にとっても非常に重要です。それは、発見を偶然以外の何か、つまりインスピレーション、努力、誤り、そして幸運という複雑な組み合わせとして定義する科学の修辞学に対するマートンの一生にわたる抗議を象徴しています。それがセレンディピティです。
結論:
『セレンディピティの旅と冒険』は、この言葉の旅とその知識的発見における重要な役割を魅力的に探求しています。その創造から普及までの歴史をたどりながら、セレンディピティは科学の進歩に大きな影響を与え、研究者の世代にインスピレーションを与えてきました。マートンの作品は直線的な進歩の概念に疑問を投げかけ、真の発見はインスピレーション、努力、誤り、そして幸運という複雑な組み合わせであると主張します。セレンディピティは、その意味で知的探求の本質であり、ブレイクスルーを生み出す力です。
まとめると、『セレンディピティの旅と冒険』は、この言葉の旅と知的発見の世界における重要な役割を魅力的に探求しています。謙虚な創造から幅広い使用まで、セレンディピティは科学の進歩を形作り、研究者の世代にインスピレーションを与えてきました。マートンの作品は、科学のプロセスを単純化する傾向に疑問を投げかけ、セレンディピティを科学の前進における不可欠な要素として描写しています。この本は、予測不可能性を受け入れ、私たちの人生に驚きと新たな可能性を招く知的探求の奇跡を迎え入れることを私たちに呼びかけています。セレンディピティの精神を受け入れることで、私たちは予期せぬ機会をつかみ、驚くべき知的な成果を生み出すことができます。
注:『セレンディピティの旅と冒険』は、知的発見の驚異を尊重する人々にとって、単なる単語の歴史を超えた重要な貢献です。それは、科学のプロセスを厳密に定義することなく、インスピレーション、努力、誤り、そして幸運の組み合わせとして発見を理解することを奨励するものです。セレンディピティを受け入れることで、私たちは科学という未知の海を探求し、革新と成長の旅に出ることができるでしょう。
引用:「The Travels and Adventures of Serendipity: A Study in Sociological Semantics and the Sociology of Science」Robert K. Merton and Elinor Barber